ご導入学校インタビュー:長崎クレーン学校

長崎クレーン学校 外観
宮田様
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2023年1月に天井クレーンシミュレータをご導入いただき、約1年間ご利用いただいている長崎クレーン学校の宮田様にお話を伺いました。(2024年2月6日)

長崎クレーン学校について

名称:長崎労働局長登録教習機関 長崎クレーン学校(2017年開校)

運営:株式会社あたご

紹介文:長崎クレーン学校はあたご自動車学校が経営する仕事に役立つ資格を取得する学校です。スキルアップや就職、転職などにご活用ください。

ご回答者:実技教習・技能教習 講師 宮田 信久 様

設置場所:長崎市星取1丁目10番 二階教室内

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長崎クレーン学校ロゴ
いつから、どのような職務を担当されていますか。

当校にてクレーン・デリック運転士コースが開始されたのが 2023年6月で、そのときから実技教習の講師をしています。

それまでは床上操作式クレーン、小型移動式クレーン(通称ユニック)、フォークリフト、玉掛け、はい作業主任者の技能講習や、クレーン運転、フルハーネス、テールゲートリフターの特別教育を担当しておりました。

当シミュレータの導入を決めた理由を教えてください。

クレーン・デリック運転士コースの登録にあたって、教習機関には天井クレーン(実機)が原則2台必要ですが、当校のような1台のみの場合はシミュレータを導入してくださいという要件でした。

導入にあたって、主な懸念は何でしたか。

教習機関として登録する際、事前教習を受けた生徒たちが実際の試験場(九州安全衛生技術センター)で実技試験に合格する必要があります。
当校の天井クレーンは試験場とタイプが違いますので、(試験場の仕様に合わせた)シミュレータである程度うまくいったのかと思います。

懸念事項とは少し違いますが、シミュレータだけで試験を受けることについて当初はやはり少し不安がありましたね。

試験場で実技試験を受けた方は、どの程度シミュレータで訓練されましたか?

通算すると結構な時間になりましたね。

半日ずつとか合わせて1人当たり平均すると30時間くらいになっているかと思います。

当シミュレータを現在どのようにお使いですか。

クレーン操作というのは荷が振れたときに止めることがいちばん大事なので、シミュレータは主に荷振れを取る基礎訓練に使っています。

まず実機に乗って運転席の高さや動き、吊り荷の危険性を体感してもらい、次にシミュレータで荷振れの取り方を学んでから、また実機でコースを回るという流れにしています。

実機とシミュレータという異なる環境で荷振れを取る練習を行うことに意義があると思います。

また先ほど言った通り 当校の実機クレーンは新しいため、教習生の属する工場にある従来型クレーンの操作の体験や説明にもシミュレータを使います。

導入いただいて約1年ですが、これまで何名の生徒が当シミュレータを使って訓練されましたか。

実際の教習生が 58名、事前教習が 10名、久留米の試験場(九州安全技術衛生技術センター)で試験を受けるための練習に来た外部の方が 5名の合計 73名です。

1回当たりどれくらいの時間を当シミュレータに使用していますか。

ひとり30分程度ですね。

最もよく使うコースはどれですか。

シミュレータでは基礎訓練として主に走行、横行、斜行コースを使います。

生徒の皆さまが当シミュレータを使うときには常に教官がそばにおられますか。

そうですね。

運用に関して気をつけておられることはありますか。

私たちも取り扱いに慣れてきましたので、今のところ特に気になる点はありません。

使用された方々は当シミュレータについて何と仰っていますか。

VR未経験の場合、ヘッドセットを着けたときに「わ、すごい」と驚く方がけっこういらっしゃいます。

事前教習において、シミュレータで訓練してから試験場で受験された方からは「役に立った」という声が多かったです。

当シミュレータに関して、弊社に機能の改良や追加してほしいと思う点はありますか。

現在、シミュレータの動きは九州安全技術衛生技術センターに合わせてありますが、それに加えて当校の実機天井クレーンの動きを再現できれば、もっと運用の幅が広がると思います。

複数クレーンの挙動を切り替える方法については弊社に持ち帰り、今後の対応が可能か検討いたします。
当シミュレータの中で、気に入っている機能や部分はありますか。

シミュレータとしては通常の機能でしょうが、リセットはとてもいいですね。

実機では倒れた障害物を元の場所に立て直したりする必要がありますので。

(リセット:「F5」キーを押すことで訓練開始前の状態に戻す機能。訓練中に障害物を倒してしまったり荷振れが止まらなくなったりした場合に使用する)

導入後、シミュレータやVRに対する認識は変わりましたか。

私もここに来て初めてVRシミュレータを使ったのですが、最初のイメージとしてはこんなに精密にできているとは思ってなかったんですよ。ですので最初に使ったとき、実際に自分がクレーンに乗っているようなイメージが湧き、びっくりしました。

運用次第でもっと活用の幅が広がるのかなと思います。

この度はお時間いただきありがとうございました。