クレーン運転士免許の取得

国内における天井クレーンの実態

令和6年度の労働基準局の、国内の2000以上の事業場に対して行われたアンケート(有効回答率61.5%)において、設置された天井クレーンの操作方式は4つに分けられます。

運転席式
ガーダー下部に取り付けられた運転席から見下ろして3つの水平クランクで操作するもの

● 床上無線運転式
床上で無線のスイッチやレバーを用いて操作するもの

● 床上運転式
床上でクレーンの走行とともに移動しながら有線のスイッチ等を用いて操作するもの

床上操作式
床上でクレーンの走行、横行にあわせて移動しながら有線のスイッチ等を用いて操作するもの

令和6年度 厚生労働科学研究より
令和6年度 厚生労働科学研究より

クレーン資格の種類

固定式クレーンの資格「クレーン・デリック運転士」には3種類あります。

● クレーン限定
固定式クレーン(デリック除く)の運転が可能

● 床上運転式クレーン限定
床上運転式クレーンのみ運転が可能

● 限定なし
デリック含むすべての固定式クレーンの運転が可能

なお、床上操作式クレーンについては技能講習を受ければ運転が可能です。

上記いずれのクレーンも5t未満のものに関しては特別教育を受ければ運転が可能です。

令和7年度 学科試験合格者
令和7年度 学科試験合格者

来年度のクレーン資格関連法令の改正

令和8年4月に公布された法令改正によると、来年度より「床上運転式クレーン限定」が「床上無線運転式クレーン等限定」に改められ、速度や操作位置に制限はあるものの、ほとんどの床上無線運転式クレーンがこの免許で運転できるようになります。

現在の運転席式天井クレーンの頭打ち傾向や、無線式の普及率:31.4%(令和6年度 厚生労働科学研究)の上昇を考えると今後、この「床上無線運転式クレーン等限定」免許の取得者の増加が予測されます。

従来 各免許対応クレーン
従来 各免許対応クレーン
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令和9年度以降 免許対応クレーン
令和9年度以降 各免許対応クレーン

試験の流れ

まず全国に7箇所ある安全衛生技術センターで学科試験を受験します。

学科試験の日程:北海道・東北・関東・中部・近畿・中国四国・九州

学科試験に合格すれば、その後1年間は何度でも実技試験を受験できます。
実技試験の申し込みは受験日の1ヶ月半ほど前に締め切られます。締切直前の申し込みは定員オーバーで翌月に回されることもありますので2か月前には発送した方がよいようです。

実技試験の日程:北海道東北関東中部近畿中国四国九州

両試験に合格し、労働局長に申請すればクレーン・デリック運転士の資格を取得できます。

<受験料> 学科:6,800円 実技:11,100円

受験の流れ

合図試験

実技試験前に合図試験があります。試験官が目の前で笛と手の仕草で5種類の合図を実演し、それぞれの内容を表から選択し記入する形式です。 参考:日本クレーン協会「クレーンの運転のための合図」 クレーン、玉掛け関連の免許所持者、教習・技能講習修了者は免除されます。

試験の合格率

クレーン運転士の学科試験の合格率は6割前後、実技試験の合格率は5割弱です。
合格率推移棒グラフ

実技試験には免除制度があり、都道府県の登録教習機関で教習を受けることで免許を取得することもできます。

実技のみの教習の場合、約一週間の受講が必要です。
通学が困難な方向けに、宿泊施設を併設する教習機関もあります。

<実技教習受講費用> 11~13万円